◆キッカケは窮地から 突然の梅不作
カリカリ梅はいまや全国でお馴染みスナックタイプの食品として広く知られています。
実は、その商品の誕生の地は梅の産地である群馬なんです。
そして、それを開発したのは私たち赤城フーズなのです。
誕生のキッカケは偶然にも、梅の不作でした。
昭和44年(1969年)、群馬の梅は大不作となりました。
漬物メーカーとして梅製品を手がけていた私たちにとっては一大危機。
翌年春には深刻な原料不足となってしまいました。
この窮地を救ってくれたのが、農家さんたちの自家用梅漬でした。
群馬の山間部や長野県北部の農家にまで足を伸ばして駆け回り、お願いして、その梅漬を集めました。
農家さんのご協力もあって、かなりの量を集荷でき、お客様のご要望どおりの商品を提供することができたのです。
◆失敗作?のなかに発見 ヒットの予感
その頃、弊社が製造していた梅製品、特に「梅漬」は、柔らかい梅であることが当たり前でした。
しかし、その時分けていただいた農家さんの梅漬の中に、硬くてカリカリしたものが3樽程混じっていたのです。
「これは製品化に適さない、いわゆる失敗作ではないか?」と倉庫に放置されていました。
翌春、そろそろ柔らかくなったかなと開けてみると、なんとまだカリカリのままだったのです。
それを試しに食べてみた当時の社長「松永秀雄」は、なぜか懐かしい思いにとらわれました。
子どもの頃に食べた塩漬けしたての梅の味、カリッカリッとした歯触りの心地よさを思い出したのです。
その気どりがなくて素朴な味わいに、商品化を決意しました。
早速この梅漬の出どころを探し、長野の山村に民間伝承される製法から生まれることを突き止めました。
稲わらのすすから作った灰汁を使うと、自然の梅の硬さを保ち続けるというものでした。
◆梅漬の常識を覆して 新技術の確立
それを知った私たちは、「漬けこんでも柔らかくならず梅の硬度を保つメカニズム」を化学的に分析、そして研究を重ねました。
試行錯誤の結果、カルシウムを使うと同じ結果が得られることを発見しました。カルシウムが梅のペクチンに作用して、梅の硬度を保つのです。
こうして私たちの研究室からカリカリ梅の近代的製法が確立され、製品化に成功しました。
そして昭和46年(1971年)11月に、世界で初めて工場で生産されるカリカリ梅が誕生、発売されたのです。
当時日本は高度経済成長期にあり、食品業界にも様々な分野でニューウエーブが誕生していました。
柔らかい梅が当たり前だった梅漬が、カリカリの歯触りで登場したことによってカリカリ梅は、漬物業界の新風として世間に歓迎されました。
その後、個別包装のハーフドライタイプに進化し、大ヒット商品となったのです。
今までに発売されたカリカリ梅
弊社がカリカリ梅を初めて製品化してから50年以上、半世紀以上が経ちました。
これからも、皆様に安心・安全なカリカリ梅をお届けできるよう尽力してまいります。